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【投資本解説】四季報を読み解き根拠を持った投資を!「四季報の達人が教える10倍株100倍株の探し方」をざっくり解説

コロナ禍で証券口座を開いたけど成果が出ない、個別株投資を始めたのは良いがどういう基準で銘柄を選んだらよいか分からない、結局名前を知っている企業をなんとなく買っている。

そういった方はいないでしょうか。

運否天賦でなんとなく投資をした場合でも、ラッキーパンチが当たって儲かることもあります。ただし、なんでうまくいったかが分からないため再現性が得られません。

株で勝率100%!というのはどんな達人でも不可能ですが、根拠を持った投資を行い、失敗したときに振り返って次の投資に活かすことで、1%ずつでも勝率を上げていくことができるはずです。

この本は四季報を20年以上読破し続け、四季報は物語であり読み物とまで豪語する「四季報マニア」とも言える著者が書いた、四季報から10倍株、100倍株を探す方法を解説する本です。10倍、100倍というと大穴狙いのように感じるかもしれませんが、高成長企業の特徴をとらえたものなので、数十%の利益を着実に積み重ねることにも役立ちます。

ずっしり重く分厚い四季報。これを読み解くことで根拠を持った投資を行い、少しずつでも勝率を上げていきましょう。

この本から得られるポイント

・根拠を持った投資を行うことができるようになる

・銘柄の見極め方が分かるようになることで大損する可能性が減る

・超分厚く全部読むのは困難な四季報の、どこに注目して読めばよいか分かるようになる

四季報の何がそんなにすごいのか

株をやっている人なら必ずと言っていいほど聞いたことがあるであろう四季報。しかし、分厚いし結構高いので買ったことはない、名前は聞くけど何がそんなにすごいの?と思っている人も多いかもしれません。

そんなこの四季報、実は世界でも類を見ることがない、なかなか変態的な本なのです。

四季報のここがすごい!

・創刊から80年以上、日本の全上場銘柄を調査

・網羅性と継続性がハンパない

・ありとあらゆる情報が、コンパクトにまとまっている

四季報は創刊から80年以上、日本の上場企業(現在約3800社)の全てを網羅している情報誌です。
海外だと上位500銘柄のレポートなどはあるようなのですが、全銘柄を網羅している、というものはないようです。
その全ての銘柄について、業績から財務状況から事業内容から、ありとあらゆる情報がコンパクトにまとまっている、というところが四季報のすごいところ。

そして、全ての上場企業を網羅しているため、市場の平均値、というものを知ることができます。

銘柄を選ぶ際、良い悪いの判断をするには何かしらの基準が必要になります。その比較する基準としては、市場や同業種の平均と比較するのが最も分かりやすい。
例えば、同じ売上10%UPでも、市場全体が落ち込んでいるなかでの10%UPと、市場全体がイケイケなときの10%UPではインパクトは違いますよね。
全ての銘柄を詳細に調査しているからこそ、四季報では各企業の業績予想を積み上げた市場ごと、業種ごとの全体像を確認することができるのです。

この全体像を把握する、というのがすごく大事なのですが、これだけ多くの個別企業の積み上げが見られるのは財務省が発表している「法人企業統計」を除けば四季報含めて数えるほどしかありません。ここに、四季報の貴重さがあります。

10倍株、100倍株の探し方~基本4項目~

本書のなかでは、10倍株、100倍株を探すための指標として、以下の4点が挙げられています。

最注目ポイント

①売上高成長率20%以上

②営業利益率10%以上

③上場5年以内

④オーナー企業(社長が筆頭株主)

これら(特に①、②)は成長する企業の指標なので、テンバガーなどの大儲け狙いだけでなく着実に数十%の利益を狙う際にも有効です。それぞれの項目について、簡単に解説を付け加えます。

基本項目1 売上高成長率20%以上

特にサラリーマンで会社から成長成長言われている人の中には、売上が伸びてなくてもちゃんと利益が出てるならいいやんという方もいるかもしれません。

確かに、数字は変わらなくても毎年確実に利益を上げる会社というのはすごく優秀と思いますし、従業員にとっては安心して働けるいい会社かもしれません。ただし、株取引で儲けようと思っている人にとって良い会社とは、自分に利益をもたらしてくれる会社。つまり、買った時より株価が上がる会社です。

株価が上がるためには、1株当たりの利益が上がっていく、つまりその株がもっと儲ける株になるということが必要になります。

利益を上げていくためには売上そのものを上げるか、利益率を上げるかの2つがありますが、利益率を上げるだけでは限界があります。つまり、利益増加を継続的に達成するためには、売上の上昇が必須!特に、20%以上の売上成長率は急成長企業ということができます。

なお、複利が効くので成長率20%は4年で売上高が2倍になるのが目安となります(5年で2倍じゃないです)。

基本項目2 営業利益率10%以上

どんなに売上高が大きくても、安値で買いたたかれていて薄利多売になっているようでは、なかなか利益につながりません。
営業利益は、企業の「本業で稼ぐ力」を表していると言えます

同じような理由で、

ROE(資本利益率):企業が持っている資金をどれだけ利益に繋げられたか

も注目すると良いと思います。

なお、四季報では営業利益率は直接載っていないので、売上高と営業利益から計算することになります。
まぁ、ざっくり売上高の10分の1より営業利益が大きいかどうか(売上高を1桁少なくしたものより営業利益が大きいかどうか)で切り分ければよいと思います。

基本項目3 筆頭株主が社長のオーナー企業

一般的にオーナー企業の会社では意思決定が速く、行動が素早いという特徴があります。
それにより、他の企業に先んじて行動を取ることで市場での優位性を獲得するパターンがあります。

確かに、ソフトバンクの孫さん、ファーストリテーリングの柳井さん、海外でもAmazonのジェフ・ベゾスやAppleのスティーブ・ジョブズなど、急成長する会社には強力なリーダーがいる印象があります。

ただし、リーダーによってはただのワンマン経営になるリスクもあるため、注意が必要です。
要は、優秀なリーダーが存分に力を発揮できる、という企業が強いということ。

基本項目4 上場5年以内

2018年新春号の四季報の特集として、「10年前比較ランキング」というものがあったらしいです。

これによると、10年前から株価が10倍になっている企業の約6割が10年前時点で上場5年以内の若い企業だったとのこと。

人間で考えても、まだまだ真っ白な新入社員と円熟したベテラン社員だと、新入社員の方が一般的には伸び幅は大きいですよね。

ただし、あくまで約6割ということ、古くからある会社でも生まれ変わることで急成長をすることがあること、ずーっと成長しているバケモノみたいな企業もあることから、①②に比べるとそこまで重視することはないと思います。

まとめ

過去のデータを分析すると成長する企業には明確な特徴があり、それを満たすものを選ぶことで勝率を上げることができます。

もちろん、初動の初動を押さえるにはこの分析では不十分なのでしょうが、長い間保有して大きな利益を得る、ずっと上がっている銘柄の一区間を保有することで数十%の利益をつかむには十分役に立つ根拠になると思います。

最大のメリットは、これらの条件を満たす銘柄を選ぶことで大負けするリスクが小さくなる、ということです。

特に初心者は大けがをして株式市場から退場になるのが一番怖い!
四季報を読んで企業の業績、特徴を押さえることで、安定的に勝ちを狙えるようになりましょう。

具体的に私がどのように四季報を読んでいっているかは、もう少し経験を積んだ後に別記事としてまとめれればと思います。

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