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指値と成行はどちらが良い?株取引の注文方法

株の注文方法には、「成行注文」と「指値注文」があります、皆さんはどのような使い分けをしていますか?

私の場合は、最初の頃はYOUTUBEのZeppy投資チャンネルで「指値が基本」というのを見て主に指値注文だったのですが、オニール本を読んで以来最近はもっぱら成行派です。

本記事では、初心者の方向けに成行と指値のざっくりとした解説をしたのち、なぜ私が成行派になったかを解説します。
ちなみに、注文方法には他にも損切りラインを事前に指定しておく逆指値などもありますが、それはまた別の話として。

指値注文と成行注文

指値注文、成行注文がどういうものかをこれから株を始める方向けにざっくり解説します。既に理解している方は読み飛ばして下さい。
簡単のため、ここでは全て「買い注文」を入れる場合として考えます。「売り注文」の場合は買いと売りを逆にして読み替えれば同じことになります。

指値注文

こちらから値段を指定して、それよりも良い条件ならば買う、という売買方法が指値注文です。
例えば1,000円の指値で買い注文を入れた場合、1,000円より良い条件(1,000円以下)で売りたい人がいた場合に注文が成立(約定)します。

良く勘違いされがちですが、例えば990円で売りたい人がいた場合は1,000円で指値注文をした場合でも990円で買えます。
なので、1,000円の株に対して1,150円とかの指値注文を出すことで実質成行注文と同じような使い方もできます。
前述したZeppyでは実質成行のような買い方もできるんだから全部指値でいいじゃんという理屈で、確かにそういう使い方をするならなるほどという話でした。

指値注文で注意しないといけないのは、自分が指定した条件以上にならないと約定しないので、必ず買えるわけではないという点です。
例えばこれは絶対上がる!という銘柄が1,000円だった場合、ちょっと欲張って995円で買いたいと思って指値注文したのにそこまで下がらずどんどん値段が上がっていき、結局1,050円くらいで買うハメになる、ということも良くあります。
(こんな記事を書いておきながら、今月私もそれやっちゃいました。。。やはり自分が決めたルールに従うというのは難しい。)

指値注文まとめ

・自分が指定した条件より良い値で購入
・思ったより高い値段で約定してしまった、ということはない
・使い方によっては実質成行と同じような使い方もできる
・約定しないことも多々ある。

成行注文

とにかく市場の言い値で買いますよという注文方法が成行注文です。

成行注文は最も優先される注文で、例えば1,000円で売りたい人がいるときに1,000円の指値注文と成行注文が同時に入った場合、成行注文が優先されます。
なので、売り手が全くいない、成行買いが大量に入ってストップ高、みたいな時以外は必ず買えるという注文方法です。
このような状況以外では最優先で約定できるため、指値派の人でも何が何でもとっとと損切りしなけばならないときなどに使う人が多いと思います。

注意点としては、とにかく市場の言い値で買うため、自分が思っていたよりも高い価格で約定してしまった、ということが起こりうるということです。
板が薄い(注文の数が少ない)ときには、1,000円の売り注文の次が1,020円、とかいった具合に売り注文の値段が連続していない場合があります。
出来高が少ない(取引の数が少ない)銘柄の場合は特に注意しましょう。

成行注文まとめ

・市場の言い値で購入
・ストップ高の時などを除き、基本的には必ず買える
・買い値の上限がないため思ったより高値でつかまされる場合がある。

私が成行派になった理由

おそらく、基本的には指値注文、成行は思ったより高い値段でつかまされるリスクがあるのでとにかく損切りしたいときなどを除き使わない、という方の方が多いと思います。
YOUTUBEや本などを読んでも、どちらかというと指値注文推奨派の方が多い印象です。

私も最初の頃は指値主体で注文していたのですが、「オニールの成長株発掘法」を読んで投資手法が変わってきたことで成行派になりました。

指値注文の弊害

オニール本でも、投資家に共通する誤りの一つとして成行注文ではなく指値注文で売買している、ということが挙げられています。

オニールによると、指値注文をしていると1円2円の細かい数字に気を取られ、より大きな動きに集中することを忘れがちになる。そのため、上昇相場をとらえ逃したり、損失を避けるために売りたかったのに売れなかった、というリスクがあるとのことです。

多くの人は指値注文を勧めているので最初読んだときはとても意外に思ったのですが、確かにこれは自分の実感としても合っているところがあります。

私も株を始めたての頃は「株は安く買って高く売るもの」という考えで、とにかく今買える一番安い値段で買おうという意識が強かったです。そのためスケベ根性を出してもうちょっと安く買いたい、もうちょっと高く売りたいと考えて指値注文を出すと、結局買い時を逃してしまうということが何度もありました。
そのたびにこんなことなら成行で注文しておけばよかったと思うのですが、みんな指値を推奨するのでなんとなく指値注文を続けていた感じです。

オニール流の投資手法

ではなぜ多くの人は指値を勧めるのにオニールは成行を勧めるのかというと、おそらくその投資手法の違いにあるのだと思います。

例えば下のチャートを見たとき、皆さんはどこが買い時だと感じるでしょうか?

ペイントで書いたので若干雑ですがご勘弁ください。
ヘタクソ?テクニカルはアートとはこういうことです。

多くの人はAのところで買うのを目指すと思いますが、オニールはBのところで買えと言っています。

このチャートは“カップウィズハンドル(取っ手付きカップ)”と呼ばれる形状で、本書の中では最も多い株価が上昇するパターンとして紹介されており、Bの点はピボットポイントと呼ばれています(本来は出来高など他にもチェックすることがありますが、今回は割愛)。

オニール式では最安値で買うことを目指すのではなく、成功する可能性が最大になるタイミングで買うことを推奨しています。
確かにAで買えれば最も利幅は取れるのですが、この後上がるのか下がるのかはその時点では分からないですよね。
常に勝ち続けるためには、ピポットポイントまで株価が上昇するのを待って買わなければならないのです。

そのような大きな流れを見ているため、正直1円2円の違いとかあんまり気にする必要がないんですよねぇ。
確かに少しでも安く買えた方が得になりますが、その後の上昇率に比べてほんの少しだけです。
1,000円の株が1,200円になると思ってエントリーするのに1,001円とか1,005円とかのやり取りに神経を使っていたのではもっと重要な動きに集中できない。
それに、特にマザーズ銘柄とかだとスケベ根性を出して細かい値段を指値でやっている間に数%上がってしまい、買い時を逃してしまうリスクがあります。
株価が適切な買いポイントになったのなら、迅速かつ確実に購入したい。そのためには最優先で約定される成行注文の方が有用である、という話になります。

 

といった具合で基本的には私は成行派なのですが、正直両者はどっちが良いというものではありません。
成行、指値という言葉だけで優劣を決めるのはあまり意味がなく、投資手法によるものだからです。

先ほど例に上げたZeppyの井村さんなんかだと、ファンダメンタルズ分析が超うまいので、自分の頭の中にこの銘柄は〇〇くらいの価値になる、というのが明確に描けているはずです。
だからこそ指値注文を成行のように使うことも躊躇なくできるし、目先で株価が下がっても自信を持って長期ホールドできる。
それなら基本指値でよいでしょうという話になるのだと思います。

ただし、そのように強い自信を持ったファンダメンタルズ分析なんて素人にはなかなかできるものではないですよね。
なので、ファンダで銘柄を絞り込み、チャートを見て適切な買いタイミングが訪れたら確実に購入するオニール流の投資手法、およびそれと相性の良い成行注文を個人的にはオススメします。

オニールの投資手法について詳しく知りたい方は、ぜひ原書の方を読んでみてください。
かなり難しく、決して読みやすい本ではないですが、必ず皆さんの投資パフォーマンスを上げる役に立つ本だと信じています。

まとめ

指値か成行かは投資手法によるためどちらが良いというものでもない。

ただし、よほどファンダメンタルズ分析に自信がある人以外は、株は底値で買うのを目指すのではなく今後も株価が上がることが最大限期待できるポイントまでしっかり待ってから買う。そして、そのポイントになったら確実にさっさと買ってしまう。という投資手法がオススメ。

そのためには成行注文の方が確実。指値で待っていたりすると、せっかくの機会を逃してしまうリスクがあるため、注文方法は成行がオススメ。

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